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翻訳業界の様々な面に関する詳しい知識が得られ、全体像を把握することができます。

翻訳とローカリゼーションの違いについて

この記事では、現代のグローバル市場における翻訳とローカリゼーションの目的について考察します。

翻訳とローカリゼーションの目的

翻訳とローカリゼーションについて説明するのは簡単ではありませんが、手短に言えば、時間、労力、費用をかける価値が大いにあるものだということです。人は母語で作成されたコンテンツを選ぶものであり、ソースコンテンツの言語をあまり、または全く理解できない場合には特にそうです。
ドナルド・A・デパルマ氏(Donald A. DePalma)は英語版のみのウェブサイトに関する調査の中で、「英語を母語としない消費者の87%が英語版のみのウェブサイトで商品やサービスを購入していない」と述べています。これは大きな機会損失です。他の言語でも、その言語でしかアクセスできない商品やウェブサイト、コンテンツには同じ事が当てはまります。

 一般的に、変化の激しい現代のグローバル市場において新たな未開拓市場へグローバルに展開することを目標としている成長事業は、主に言葉の壁と文化の壁という2つの問題に直面します。
言葉の壁は、政府機関の設定した要件や現地市場および文化の特性への対応、望ましい競合優位性の確保、利用者や潜在顧客が明確かつ容易に理解できるコンテンツ作成のいずれに対しても、ビジネスの行く手を阻む大きな障害となるものです。

 一方、文化の壁については原文が持つメッセージを対象者に正しく伝えられるかどうかということが問題となります。あなたが完全に理解していることであっても、地球の裏側にいる人々には反対の意味で受け取られてしまう可能性があります。たとえ用語法や文法が完璧な文章であっても、ターゲット市場の地域文化の特性に関しては多くの落とし穴があるのです。

 ターゲット市場やその文化的特性の事前調査不足によりローカリゼーションが失敗した過去の事例としては、フォード社がブラジル市場に新しい車種、フォード・ピント(Ford Pinto)を投入しようとした件が挙げられます。ブラジルポルトガル語では、「Pinto」というスラングは「性器の小さな男性」という意味であり、フォード社側は全く意図せずして、潜在顧客に対して完全に誤ったメッセージを発信してしまったのです。
言葉や文化の壁を乗り越えなければならないことは一般的な課題で、その唯一の解決方法はコンテンツの翻訳とローカリゼーションです。

翻訳とローカリゼーションの定義

コンテンツ翻訳が話題となる場合、「翻訳」と「ローカリゼーション」という用語は、混同、誤用されていることがよくあります。これらの用語は同じ目的を共有していますが、本質的には、意味や達成方法に違いがあります。

  • 翻訳とは 翻訳は、文字通り逐語的に原文をターゲット言語に変換することです。

  • ローカリゼーションとは ローカリゼーションは、コンテンツをターゲット地域の言語、文化的特性に適応させた言葉遣いにし、当該地域のネイティブスピーカーに分かりやすく、使いやすい、適切なものにすることです。

翻訳とローカリゼーションの適用シナリオ

翻訳はコンテンツを新しい読者に届けるための最初の足掛かりとなります。新しい読者は翻訳によって原文を母語で理解できるようになるからです。
一般的な翻訳の適用シナリオでは、正確な内容を伝えることが求められます。その例は、専門用語を言語Aから言語Bに変換することが重視される技術文書や医療文書などです。しかし、逐語的なアプローチである翻訳だけでは不十分です。そのため、ここでローカリゼーションの出番となります。ローカリゼーションによって、そのコンテンツは利用者に完全に理解されるようになるだけではなく、原文のメッセージがターゲット言語で完璧に再現され、最大の効果をもってそれを市場に伝えられるものとなるからです。

一般的な翻訳に比べて高い柔軟性を実現できる一方で、ローカリゼーションには用語や対象地域・文化の特性に関する深い知識が求められます。ローカリゼーションではさまざまな要素に手を加える必要があります。例えば、インターフェースのレイアウト、数字の書式、現地通貨、現地時間や日付の設定、色、測定単位、コンテンツ、グラフィックやデザインのスタイルなどです。

"コンテンツが正しくローカライズされた場合、そのコンテンツは現地で作成されたような印象を現地の利用者にもたらすでしょう。"

まとめ

まとめとして、現代を取り巻く状況においてはコンテンツの翻訳とローカリゼーションが重要なものだということが明言できます。これは、対象者が同じ国の中にいる場合でも通用されます。例えば、カナダには英語話者もフランス語話者も存在しています。大多数の人は英語版のコンテンツだけで満足するでしょうが、フランス語版も利用できるようにすれば、もう一方のグループにも大きく訴求することができます。コンテンツをローカライズすることで訪問者を顧客に変えることができるのです。これは、競合相手がこのようなメリットを提供できないのであれば、特に有効です。この場合、自社の製品、ウェブサイト、サービスで他にはないセールスポイントを生み出せるかもしれません。

 翻訳およびローカリゼーションは短期的な出費で長期的なメリットをもたらします。コンテンツの翻訳を行うことを決める際には、ご自身の状況に必要なのは2つのうちどちらかということを考慮することが大切です。

 翻訳では細部の正確さが重視されます。このため、原文は選択したターゲット言語に実用的かつ逐語的に(あるいはできるだけ原文に近づけるように)変換されることになります。翻訳は専門用語を重視しているため、専門文書、説明書、マニュアル、技術資料、医療データ、ソフトウェアのインターフェースに適しています。

 一方、ローカリゼーションはソースコンテンツをターゲット言語に適合させて変え、対象者に最大の効果をもたらすメッセージを伝えることを重視しています。これは、ウェブサイト、マーケティングデータ、ゲーム、書籍、記事などのコンテンツに適しています。

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