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翻訳業界の様々な面に関する詳しい知識が得られ、全体像を把握することができます。

TEPとは

この記事ではTEPプロセスと、そのさまざまな構成要素について重点的に取り上げます。

著者: Fred Visnevsky

翻訳業界においてTEPとは、Translation(翻訳)、Editing(編集)、Proofreading(校正)を意味する言葉です。これは業界で広く認められている標準的な翻訳プロセスで、翻訳において可能な限り高い品質を実現するためのものです。

この記事ではTEPの主な特徴をご紹介し、品質を重視した翻訳を達成することがプロジェクトの目標である場合、この種のサービスを選択することが重要な理由をご説明します。

TEPの構造

TEPの主目的は、翻訳において可能な限り高い品質を達成することです。これを実現するため、プロセス全体が高度に標準化され、その中核に段階的構造が設定されています。

言語の専門家チームの作業対象となるコンテンツに応じて、プロジェクトごとにプロセスは若干異なる場合がありますが、中核である段階は決まっており、変わることはありません。各段階で作業を行う言語の専門家間での直接連絡は、ほぼ全く行われません。これにより、チーム内にいかなる先入観が生じることも防がれ、コンテンツの機密性を保ち、品質に良い影響を与えることができます。

1. 翻訳段階

翻訳段階はTEPプロセス全体の約60%を占めます。担当する翻訳者は、そのコンテンツ分野の経験を持ち、ターゲット言語のネイティブスピーカーでなければなりません。用語集や翻訳メモリなどのさまざまなツールを利用し、用語、文法、言葉遣い、一貫性、対象国特有の言語的慣習や様式、ならびにプロジェクトや顧客固有の指示や規制要件などのガイドラインに注意しながら、原文はターゲット言語に翻訳されます。

2. 編集段階

編集は非常に重要な段階です。ここでは翻訳された文章の体裁を整え、微調整を施し、お客様が設定されたプロジェクトの仕様に合わせる作業を行います。翻訳プロジェクトの種類は次のように大別できます。

  • 直訳 : 原文からターゲット言語への逐語的な変換を行うことを目標としているプロジェクトの多くがこれに当てはまります。直訳プロジェクトの最も一般的なものには、技術翻訳や医療コンテンツの翻訳が挙げられます。

  • ローカリゼーション : ローカリゼーションプロジェクトは、原文をターゲット言語、とりわけターゲット言語のネイティブスピーカーが居住する地域の仕様に適応させることを重視しています。その主な目的は、翻訳された文章の体裁を整え、そこで作成されたものだという印象を現地の人に与えることです。

  • トランスクリエーション : トランスクリエーションプロジェクトは、原文の持つ意味やメッセージをターゲット言語で届けることを重視しています。多くの場合、目的の結果を得るためにソースコンテンツを大幅に編集する必要があります。トランスクリエーションは通常、マーケティング関連のプロジェクトに適用されます。

編集段階を担当する言語の専門家は翻訳段階を担当する専門家と同様に、対象分野の経験を持ち、ターゲット言語のネイティブスピーカーでなければなりません。編集担当者は原文を参照し、文章全体を読みやすくする責任を負います。

編集担当者が作業した結果、文章はターゲット言語の読者が理解できるものになり、該当プロジェクトでお客様が指定した役割にかなうものとなります。

3. 校正段階

校正は、主に文章全体の用語、主旨、構造に照準を絞った最終確認段階であると言えます。校正はプロジェクト全体の品質を高めます。

校正担当者はターゲット言語のネイティブスピーカーですが、プロジェクトのソース言語に関する知識を持っている場合もあれば、そうでない場合もあります。校正担当者はむしろ用語、文体、および翻訳プロジェクトの対象分野に関する高度な知識を備えていなければなりません。

4. 言語品質保証(LQA)段階

品質を高める最後の階層に位置するのは、言語品質保証(LQA)です。LQA担当チームは、ファイル形式および書式が適切であるか、数値に誤りがないかなど、プロジェクトの技術的要件およびレイアウト関係の必要条件をTEPプロセスの成果物がすべて満たしているかを確認することに責任を負います。

LQA担当チームは、人間では見逃してしまう可能性のあるタイプミスの検出を対象とした最新の翻訳品質保証ソフトウェアを使用します。

LQAでは、次のようなチェックも行います:

正確性
  • 同じ句読点が用いられているか、数値コンテンツの書式が正しいものか、およびレイアウトなど、テキスト整形に集中して、原文と翻訳文を技術的に比較し、正確性をチェックします。

  • 一貫性をチェックします。

用語
  • 原文と対象の翻訳文で、お客様指定の用語が一貫して使用されているかどうか、一貫性をチェックします。

言語品質
  • スペリングをチェックします。

  • 句読点をチェックします。

  • 対象国の標準規格、主に通貨、測定単位、日時書式などをチェックします。

上記のLQAの工程では、人とソフトウェアの両方によってチェックが行われます。

まとめ

TEPプロセスは、可能な限り最高の品質の翻訳を達成することを主目的に設定されました。

TEPプロセスの各段階を踏むことで、言語サービス提供事業者(LSP)は最高水準の品質の翻訳を達成し、翻訳業界の標準規格であるISO 17100:2015を確実に順守することができます。

上記TEPプロセスのすべての段階は、LSPが最高品質の翻訳を行うための標準的取り組みの一部であって、翻訳品質をさらに高めるため、さらに言語品質チェックや対象国内の専門家によるチェックのプロセスが実施される場合もあります。

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