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翻訳業界の様々な面に関する詳しい知識が得られ、全体像を把握することができます。

翻訳会社の選び方

この記事では、翻訳とローカリゼーションにおけるお客様固有のニーズに最適な翻訳会社を選ぶ上で役立つ重要な基準とアドバイスを提示いたします

How to successfully choose a Language Service Provider

翻訳会社の選び方

現代は、古いものが打ち壊され、新しい技術、チャンス、経済とビジネス成長の達成・表現のための手段の受け入れが続くグローバル化された世界となっています。

このことによって経済と文化が常に相互依存するようになりました。それは物資、サービス、技術、情報の国境を越えたやり取りと投資の流れによって促進されており、企業を強く結びつけるコミュニケーション媒体としての言語の重要性が強調されています。

Nigel Holdenの『The treatment of language and linguistic issues in the current English-language international management literature(現代の国際経営関連英語文献における言語と言語的問題の取り扱い)』(1987年)によると、言語について経営管理の面からとらえた場合、いかなる事業においてもその中心となる最も重要かつ複雑な役割を果たすのは言語であるということに真に注目している著者は、30年ほど前には一握りしか存在していませんでした。

ただし、フィンランドの組織理論家Rebecca Piekkariはこのコンセプトに革新的に注目しており、言語を決定的要因としてだけではなく、組織的コミュニケーションとビジネス創生の重要要素ともとらえ、次のことを強調しています。

「言語が国際ビジネスのあらゆる面に関わるものであることに対し、特に、何らかの形でグローバルな活動を行う人たちからは、異論は出ないでしょう」

この記事では、このコンセプトについてさらに掘り下げ、翻訳業に特化した言語サービス提供事業者(LSP)の種別、各種の要件や顧客の特性に合わせたLSPの選択法、様々なセクターや分野に対するLSPの選択に関わる重要な要素といった観点からご説明し、さらに、品質と納期に対する世界中の顧客からの要求を満たすことのできる競争力のあるLSPの特徴に関するインサイトをご提供いたします。

言語サービス提供事業者(LSP)の種別

フリーランス翻訳者

フリーランス翻訳者

フリーランス翻訳者とは、独立開業して翻訳作業を行うリンギスト(言語の専門家)で、言語に関わる作業だけではなく、マーケティング、会計、契約交渉、カスタマーサポート、コミュニケーションに関することにも直接の責任を負います。

単一言語ベンダー(SLV)

単一言語ベンダー(SLV)

SLV(Single-Language Vendor)とは、通常、ポートフォリオ(事業・サービス内容の紹介)の内容が単一の言語への翻訳サービスである会社のことを指し、サービスにはファイルの準備、ローカリゼーション エンジニアリング、翻訳、編集、校正、プロジェクト管理、内部品質保証、DTP、ファイル形式変換などが含まれます。

多言語ベンダー(MLV)

多言語ベンダー(MLV)

MLV(Multiple-Language Vendor)とは、ポートフォリオの内容が複数の言語の組み合わせでの翻訳・ローカリゼーション サービスである会社のことを表し、各言語を母語とする内容領域専門家を用いて翻訳・ローカリゼーションに対する顧客の要求に柔軟にソリューションを提供し、その活動領域は多くの分野にわたります。

競争力のあるLSPの主な特徴

それでは、競争力のあるLSPの主な特徴について見ていき、LSPを差別化するもの、最適なLSPを選択するための重要な基準について考えてみましょう。

多言語翻訳・ローカリゼーション サービス ポートフォリオ

ポートフォリオの内容が複数の言語の翻訳・ローカリゼーション サービスであることは、どのLSPにとっても最高のセールスポイントとなる特徴でしょう。それは、特定の厳格な品質基準と納期の効率的な調整によって、翻訳に用いる手法を多くの言語において一貫したものとすることができるからです。

複数の言語を扱うLSPのサービス ポートフォリオには、ファイルの準備、ローカリゼーション エンジニアリング、翻訳、編集、校正、プロジェクト管理、内部品質保証、DTP、ファイル形式変換など、カスタマイズ可能な翻訳・ローカリゼーション サービスが含まれます。また、多くの内容領域専門家を擁すること、翻訳・ローカリゼーションの各依頼を専任のプロジェクト マネージャーが担当することで柔軟なプロジェクト管理ソリューションを実現していることなど、長期的な利点も示されます。

内容領域専門家(SME)

SME(subject matter expert)とは、特定の主題または活動領域における傑出した知識または専門性を備えた人のことです。

翻訳業界におけるSMEに関して分かりやすくご説明するため、分野を特定して、医学・ライフサイエンスにおける例をご紹介しましょう。

医学・ライフサイエンス分野の翻訳で最も重要なことは品質で、高度な知識、専門用語の使用、ターゲットオーディエンスの感情を害さないこと、欧州医薬品庁(EMA)と医療機器指令・医療機器規則(MDD/MDR)への完全な準拠が必要とされます。

このような特別な言語プロジェクトに適さない専門性やスキルの低い翻訳会社を選んでしまうと、多くの場合で、以下のような結果に陥ってしまいます。

  • 医学用語が不適切に用いられたことによって、間違って解釈され、事故さえ起きてしまう。

  • 間違った内容に基づいて患者の治療戦略が決められ、効果が出ない。

  • 翻訳水準が標準以下で、その後の修正が必要となることによって、お金と時間が余計にかかる。

医学の例が示すような特定分野の内容領域専門家を擁することをポートフォリオに掲げているLSPは、水準を高く設定しており、優れた選択肢です。上記のような問題の発生を防ぎ、いかなる分野の翻訳プロジェクトにおいても標準レベルの一貫性と正確性を確保し、顧客の要件を遵守した高水準・高品質な翻訳を提供します。

徹底的なプロジェクト管理と内部品質保証プロセス

翻訳プロジェクトの管理とは、日常生活で行うすべてと同様に、関係するものをうまく調整することに他なりません。それを達成するのは、詳細な計画、チームワーク、問題解決への積極的アプローチ、そして最も重要なことである品質管理です。

競争力のあるLSPでは、特定の翻訳・ローカリゼーションの依頼を受けたときから、翻訳する素材の評価、所要時間と納期の合意に至るまで、標的とする特定市場および分野に対する顧客の個々の要求に丁寧に対応する専任のプロジェクト マネージャーが関与し、徹底的なプロジェクト管理プロセスが機能することが示されます。

この徹底的な管理プロセスを支えるものは、内部の品質評価ワークフローおよびISO認証によって確保された一連の明確な品質基準です。用語法、ガイドライン、ターゲットオーディエンスへの適合において、それぞれカスタマイズされ、他とは差別化された翻訳が提供されます。

幅広いコンテンツタイプに対応する柔軟性

LSPの競争力を示すもう1つの特徴は、幅広いタイプのコンテンツ(一般的文書からビデオゲーム、ウェブサイト コンテンツ、テクニカル スプレッドシート、モバイル アプリケーション コンテンツ、技術マニュアル、ユーザーインタフェース コンテンツ、音声・映像の字幕付け、スクリプト、マーケティング素材、商品説明など、さらに極めて高度な内容でEMAの規制を受ける医療用テンプレート コンテンツ、患者情報、治験書類や、金融・法律・EU関係の専門的内容のコンテンツまで)にわたる顧客の依頼に対応する柔軟性です。

各市場の要件と顧客の特定の課題に対し、カスタマイズされた翻訳・ローカリゼーション ソリューションを用意できることは、業界水準を上げる優れた能力であり、提供されるものの品質と専門性に基づいてLSPを選択する上で、差別化をもたらすものです。

規模拡大能力

多言語の翻訳・ローカリゼーション サービスのポートフォリオを提供するLSPにとって、規模拡大能力、つまり作業の量と規模の拡大に対応できる能力を持つことは有用であり、長期的に役立つ資産となります。

規模拡大能力を有し、大量で納期の短い翻訳依頼を受けられるLSPは、常に選択肢の上位に位置し、言語に関する顧客の課題に対してカスタマイズされたソリューションが、極めて競争力の高い納期で提供されます。

技術力と幅広い用途でCATツールを使いこなす能力

翻訳業とは、言語資産、それ以外の資産、そして技術的ノウハウを組み合わせ、最先端の翻訳管理技術を活用することに他なりません。

翻訳管理システム(TMS)またはプロ仕様のコンピューター支援翻訳(CAT)ツールを効率的に用いれば、プロジェクト管理のための関連文書の共有が迅速かつ容易に行えて、手作業で処理するよりも遥かに時間と労力の節約になります。

最先端の翻訳管理用のソフトウェアとツールを自在に使いこなす能力に支えられたこの貴重な技術力によって、最高級の翻訳・ローカリゼーション サービスの提供が確保され、それとともに、ローカリゼーションのためのカスタマイズ可能なワークフローの作成、ファイル提出プロセスの簡易化、さらにプロジェクトの監視、見積もられた料金の迅速な承認、といったことが促進されます。

透明化された料金制度とTM活用オプション

言うまでもないことですが、上記の特徴を備えたLSPは大量に存在しており、その選択に決定的な影響を及ぼすのは料金制度でしょう。

最高品質の翻訳を業界一安い料金で提供すると聞けば話がうますぎると思われるかもしれませんが、競争力のある料金を提示できるLSPは、翻訳メモリ(TM)とコンピューター支援翻訳(CAT)ツール管理によって、量に応じた割引を行うことが可能なのです。つまり、新しい文章はすべて翻訳され、既訳や繰り返し部分の料金を割り引くという最も理にかなった方法をとっているのです。

データ セキュリティ

翻訳業界においては、データ管理とセキュリティの問題、特に企業データ漏洩に関することは、常に高い関心を集めています。

情報の機密性とセキュリティは、プロのLSPに期待される重要な要件であり、機微データの処理に関する業界固有のISO認証を取得していることは、いかなるLSPのポートフォリオにおいても、中心的な特徴として位置づけられています。

まとめ

この記事では、多くの言語サービス提供事業者(LSP)がひしめく翻訳業界の中で、競争力のあるLSPを差別化するものについて、類型論、各種の要件やクライアントの特性に合わせられる能力、様々なセクターや分野に対するLSPの選択に関わる重要な要素といった観点からご説明し、さらに、品質と納期に対する世界中の顧客からの要求を満たすことのできる特徴に関するインサイトをご提供いたしました。

翻訳・ローカリゼーション サービスによって世界のターゲット オーディエンスと効果的にコミュニケートし、理路整然と、感情を害さず、正確に意味を伝えるには、最適なLSPの選択が最優先されることだと明言することができます。

ではここで記事の冒頭でご紹介したRebecca Piekkariが強調したコンセプトにもう一度戻りましょう。それは「言語が国際ビジネスのあらゆる面に関わる」ということでした。つまり、活動の領域や分野がいかなるものであれ、ビジネスが成功するためには言語的構造に強固な基礎を築く必要があるということを心に留めておかなければならないのです。

References

Holden, N. (1987). The treatment of language and linguistic issues in the current English-language international management literature. Multilingua Journal of Cross-Cultural and Interlanguage Communication, 6(3), 233–246.

Piekkari, R., Welch, D., & Welch, L. S. (2014). Language in international business: The multilingual reality of global business expansion. Cheltenham: Edward Elgar Publishing.

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